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秋の夜長に、「裏庭」を。

裏庭 (新潮文庫)
裏庭 (新潮文庫)

今年、一番の出会いを伝えたい。

この人、この本、この物語。
私は今年、この梨木 香歩(なしき かほ、1959年 - )さんに会えたこと
正確には彼女の著作に出会えたこと。
これは、かなりの感動だった。
しかも私のココロにとってベストなタイミングだった。

すでに3冊読んでいる。
・西の魔女が死んだ
・裏庭
・エンジェルエンジェルエンジェル

いい本は奥行きが深い。
浅いところを読んでもいい物語だけど。
深いところを手繰(たぐ)れば、手繰(たぐ)っただけ受け取ることが大きくなる。
読んでいる人のイマジネーションと比例する。

今まで読んだ、星の王子様やアルケミストに匹敵するような感動だった。
その手の本がだめなひとはあまり読んでもこの感動はないかもしれない。


特に「裏庭」を秋の夜長にどうかな。
これってなんだか本当に自分が知らない世界に行く感じがする。
目の前に光景がひろがる。

はじめ「西の魔女が死んだ」から読んだ。
そして、読み終わり、わりとわかりやすい本だったので
(それでもこの本はやっぱりおばあちゃん、おかあさん、自分みたいなつながりを書いている。)
その後、「裏庭」を読み始めた。

現実とそれとは違う世界をいったりきたりで序盤は「うーん、どうかな〜?」と
油断していたらどんどん、どんどん、引っ張られていった。

ファンタジーなんだけど。リアリティ。私の大好きな部分。
「人のうんと奥深く」たぶん、「タマシイ」みたいなもの。
そんなものに触れるところがある。ような気がする。


あながたそこに生まれた理由。お母さんから。
・・・そのあなたのお母さんから。
そしてそこに今、そうしている理由を、その場所にいることを感じられるような。
そしてもう、受け継がれている不要なものは手放そうねって気になるんだ。
自分の中の光も闇も。 大事なあなたのもの。

わかりにくいでしょー。(笑
だから何?といいたいかな〜?

私の「裏庭」の本は線だらけ。

引かれた線のなかからちょっとだけご紹介いたします。


近親憎悪のように嫌うのさ。しかし、同時に神聖視もしている。ほとんど
同じ事だ。遠ざけておきたいのだ。自分から


自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を品評する方が
遥かに楽だもんな


真の癒しは鋭い痛みをともなうものだ。さほどに簡便に心地よいはずがない。
傷は生きておる。それ自体が自己保存の本能をもっておる。
大変な知恵者じゃ。真の癒しなぞ望んでおらぬ。ただ同じ傷の匂いをかぎわけて、
集いあい、その温床を増殖させて、自分に心地よい環境を整えていくのだ。


癒しと言う言葉は傷を持つ人間には麻薬のようだなものだ。
刺激も適度なら快に感じるのだ。そしてサの周辺から抜け出せなくなる。
癒しといくことにかかわってしか生きていけなくなる。


金なんてさ、どうでもいいどころか軽蔑さえしてたようなところがあったけど、
こうなってみれば、あれはコミュニケーションそのものだったんだな。
人と人との間を行ったりきたり


目に見えぬまやかしの癒しの菌の根がはびこって、がんじがらめになってしもうた。
腐りかけた傷がその菌の温床となって、次から次へと人を呼び。
その傷をあらわにしていく。あらわになった傷は、その人の関心を独り占めする。
傷が、その人間を支配してしまうのだ。
本当に癒そうと思うなら、決して傷に自分自身を支配させてはならぬ。


物語の中で3人のおばばがでてくるんだけど。
そのおばの言葉にもとてもひかれる。


1番目のおばばは
「いいな、傷を恐れるでないぞ」といいます。


2番目のおばばは
「いいか、覚えておおき。自分の傷に、自分自身をのっとられてはならないよ」といいます。


3番目のおばばは
「傷を育んでいくことじゃ。そこからしか自分というものは生まれはせんぞ」といいます。

そして照美(主人公)が「ありがとう、おばば」って答えるんだけど。
この言葉、そのまま私がいいたかった。


↑ごめん、いれこんでて。


ここはまだ物語の中盤。まだまだ、お話は続きます。


現実とは違う世界へいったりきたり。
たぶん、その世界はあなたの中にもある「魂の物語」。
紐解くうえで入り口に立てるようなストーリーです。

リアルタイムだと思ったのは最後にこんなことが書いてあった。

「私は、もう、だれの役にも立たなくていいんだ」
 全世界に向かって叫びたかった。
 自分が今まで、どんなにそのことにがんじがらめになっていたのか、
たった今、気づいた。


そして・・・

ずっと私は友達に恵まれていた。いつも人にかわいがってもらっていた。
悪いところはたしなめられ。ほめてもらい。
いろんなところにいっぱい連れて行ってもらった。
笑ったり、からかわれたり、いじめられたり。
心配したり、けんかしたり、泣いたり、怒ったり。

恋愛もいろんなことがあったけど。
いっぱいすきになり、ボロボロになるくらいすきになり、大事な大事な関係だった。

人と人の縁はとても大事なもの。そう、感じているけれど。
でもやっぱり親子や家族ほどの深い関係はないのかもしれない。
と、最近、すごく思っている。

深い魂の結びつき。
その関係がなければ傷つかなくてすむこともある、感じなくてすむこともある。
そこにあるのが重い感情でも、やわらかなふわふわした温かいものでも
その関係だからこそ、受け取り、感じるんだなーとおもうの。


自分をこの世に生み出した、自分が選んだ人たち。その関係。

たった一人の運命の赤い糸の人を探していたけれど。
もっともっと深い関係を生まれたときからもっていたのかもしれないと
そんなふうに思い始めたときに出会った本でした。


秋の夜長にハーブティーかカフェオレと一緒にあなたをあたためてくれそうな
気がしてしまいます。

追伸:
ちなみにエンジェルエンジェルエンジェルを読んで号泣した後に両親に話すと
耳も傾けず「がばいばあちゃん」を読んでげらげら笑っていた。
あれもいい本だけどね・・・・。

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