ココロとカラダの欲求に素直にこたえる


きっかけはアフリカ旅行の帰り道で知った
Power Stone
「パワーストーンがほしいの・・・。」
と出会ったばかりの女の子につぶやかれた。
その瞬間に私の頭には雑誌の後ろによくある
「金運に、強運に、恋愛成就・・・驚異の効き目。価格ウン万円」
の広告がびっくりマークつきで浮かんだ。
「あやしい・・・なぁ。」と心でつぶやき、苦笑してしまった。


場所はパキスタン。一人でアフリカへいった傷心旅行の帰り道。
彼女の名前はともちゃん。
日本生まれ。ケニア育ち。ハワイの大学で彫刻の勉強してる・・・。って。
カタコトの日本語。 出会ったばかりの二人のたどたどしい英語の会話。
目の前にいるのはいったいどこからか連れてきたのか、半日十ドルで雇ったらしかったドライバーと車。
雇い主はもちろん、ともちゃん。

旅行にでて、すでに2週間。
日本ははるかに遠く。日本のあたり前が消えはじめてたころだった。 
あやしいのにもかなり慣れてはきたけれど、それでも、ちょっと心配。
「ついていってよいものか・・・。」
当然、考える間などなく。・・・そのまま車に乗りこんだ。

「ねぇ、危険だったら・・・?」って理性か、本能か、それとも「なにか」に、
笑いながらささやかれたような気がした。
「パワーストーンか・・・。興味ないなぁ。」なんていうのがそのころの私。
自分の生活範囲にはあまり親しみのないものだった。
前にバイト先に「生まれ変わったらイルカになりたい。」っていってる子がいて
・・・ながしていたんだけどね。

パキスタンの入国にはビザが必要。 
もちろん、私はもっていない。
そもそもアフリカ行きだって出発の6日前に急に思い立って、チケットさえとれるどうかの旅支度。
旅行代理店の人に「今回ははらはらドキドキで楽しかった。」っていわれるくらい。
おまけに、予防接種も私が受けたのは「黄熱」の注射1本だけ・・・。
アフリカに行くためには予防接種が3本必要。
いけるかどうかわからないからまよってたら、「ケニアからでられなくなっちゃいますよ。」って旅行代理店の
担当者からのお言葉。こまごま、warning のオンパレードで。
ましてや行き先のアフリカじゃない国のビザなんてあるわけないぢゃん。

・・・パスポートを空港にあずければパキスタンへの入国が許可された。
トランジット(乗り換え)する人すべてそうなのかもしれないけど。
今、考えるとちょっと怖っ。
パスポートを空港に預けるって・・・。
何かに巻き込まれたときどーするんだぁぁぁ。

しかもその時、手荷物でもっていたワインを2本預けるようにって強制された。
「アフリカは昔、フランス領だったから結構、いいワインがあるから買ってこいよー。」
と大きな寝袋を渡してくれた友人のリクエスト。
買った中でも高かったやつ2本。

後に「今後が楽しみだ。」といわせたワイン。

パキスタンは宗教上(だと思う)、厳しい戒律で「酒」に関して問題があるらしく。
ほんとは、没収といわれた。
(没収したってあなたたち宗教的にのめないでしょーよ・・・)
ひきつりながほほえんで、クレームをつけてとりあえず没収はなし。
「本当にかえしてくれるの・・・?」って差し出した。
今、考えるとこのクレームもちと怖い。
怖いものなしって、無知って怖い。
今や、りっぱな核保有国の入国管理だったのに・・・。


リスクを背負ったせいか(いやいや、ほんとはノリで)、ともちゃんに付き合うことにした。
自分の眼中にないものを探すなんて。
たしかに、ちょっとめんどいこと。

最後の決め手(?)はパキスタン航空が用意してくれたホテルの中庭のうおの目とりのおじさんの熱烈な
セールスがアダになり・・・、出かけてしまった(爆
ドライバーの車に乗り込みパキスタンの市内を走る。
外はとても暑くて、乾いていた。
体が感じる渇きを潤すために水を飲む。
ゆっくりと、水と一緒に私の中に彼女が吸収されていく。
彼女の話に耳を傾ける。彼女の話を受け取っていく。 
そして、私の中で彼女の輪郭がつくられはじめる。



語られるともちゃんの「石」の話。

物語のヒロインは日常の細々したことでこまっていた。
決して政略結婚とか、悪い怪物の魔法がとけないなんて話ではなくて。
でもそれより大ごとで。 解決は難しい問題なのだ。
そこに王子様でなく、石が登場する。
その「石」はヒーローなのに派手な活躍はしない。 
彼女の内面を強くする。 そして自分で解決させる。
そのヒーローは何も語らない。
「ボクガイタカラダヨ・・・。」なんて。
そして最後には石自身も輝き、役目がおわったといって消えてしまう。
 
実際、彼女の手元にあった石は物事の好転と一緒に輝きを増して、
色まで透明から紫に変わっていったって。
そして、最後に消えるように「いなくなった」らしい。
物語の最後にともちゃんはちょっとだまって。 

「石はね、役目が終わると姿を消すんだよ・・・。」
といった。



 結局、ともちゃんは5ドルのラピスラズリをかなり悩んで
「高いね・・・。」っていって、買うのをやめた。


そのころは、もう、びっくりマークつきの広告は忘れてた。
「金運に、強運に、恋愛成就・・・驚異の効き目。価格ウン万円」



ともちゃんの話の中の石は、手元に来たときは貧弱なクリスタル(水晶)だったっていってた。
だけど後から紫になったって。
たぶん、アメジストだったんだろうな。 
今だからわかるのだけど。
アメジストはとても強い石なのです。
洗練された女性のような、強い意志をもった。


「石はね、役目が終わると姿を消すんだよ・・・。」

あの言葉が耳に残ってから、10年以上たつけれど、
今、私の左手首には石のブレスがついている。
時には紫の石。時にはピンクの石。・・・時には青色。
残念ながらともちゃんとはあれきり。

でも、
人生には何かのスイッチを不意に入れられてしまうような出会いがあるのです。
日本にもどってから私は石を探し始めるのでした。
(Mar 2007)



copyright All rights reserved by ココロとからだの欲求に素直にこたえる 
*このサイトにあるすべての情報、画像、テキストは著作権によって保護されます。情報・写真の無断転載を禁止します。